江端さんの忘備録

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2012年 02月 29日
気分は、「アイドル」のマネージャー
私は、日頃から「インターネットの『匿名』投稿なんぞ意味がない」と何度も繰返しているのですが、その理由の一つに「通信プロトコル解析」という「技」があることが挙げられます。

例えば、水道を例に考えてみます。

水道の水を使う人にとって、蛇口から出てきた水以外には興味がないと思います。

「通信プロトコル解析」というのは、いわば、この水が、どの程度のスピードで、どこから、どう通って来たか、というのが全部分ってしまう「技」と理解して頂ければ十分です。

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世界で最も有名で、多くのネットワークエンジニアが使っている、フリーの通信プロトコル解析ツールに、"Wireshark"というものがあります。

このツールは、もの凄い種類の通信プロトコルをサポートしており、大抵のプロトコル解析は、これがあれば概ね足ります。

しかし、そのような汎用プロトコルにはとっても便利なのですが、自分で作った通信方式や、社内や業界の一部だけで使われているよう通信プロトコルでは太刀打ちできません。

で、そういうプロトコルは忌避される→プロトコルが全然著名にならない→忌避される→著名にならない・・・ の負の連鎖が発生する、と。

そして、いつまでたっても、wiresharkでサポートして貰える段階に至らない、と。

とにかく、

「光の当たるところに行かないと、芽が出ない」

というのは、芸人、サラリーマン、技術者全部に共通して言えますが、通信プロトコルも同じなのです。

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という訳で、今、私は週末プログラマーをやっています。

社内の制御向け通信プロトコルの解析ができるように、wiresharkのプラグインのプログラムを書いています。

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気分は、売れないアイドルの営業活動の外回りをしているマネージャーです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Wireshark
2012年 02月 28日
浮気の経済学
「浮気」というものに関して、私はその定義を知りませんし、それをモラルの観点から、どうこう言うつもりもありません。

ただ、「浮気」というのは

『隨分と、コストがかかるんじゃないのかなぁ』

という漠然とした予想があります。

# ここでいうコストとは、「金」と「時間」のことだけです。「リスクコスト」は勘案しません。

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少し気になったので、

「浮気の経済学」
「浮気の時間捻出法」
「浮気の最適化問題」

などのキーワードで、ちょっと調べてみたんですが、客観性を担保した学術論文や特許などは、見つけることができませんでした。

ちなみに、

「30日完成 浮気」
「チャート式浮気方法」
「たった2年で浮気できる方法」

などの、「浮気」未体験者に対するハウツー本は発見できず、

「浮気で儲ける方法」

のようなビジネスモデルは、絶無でした。

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私は、「飲み会」に行く金があれば、その金で「GPSの固定アンテナを自宅の屋根に設置したい」と考える人間です。

# 「GPSの計測誤差から、地震予知ができるかもしれない」という話を聞いてから、週末研究者をやって、自力で調査してみたいなぁと思っていまして。

「浮気」というものが、どういうものか良く分かりませんが、多分それは、「GPSのアンテナを自宅の屋根に設置する」よりは、圧倒的にマジョリティ(多数派)なのだということは、なんとなく理解できます。

取り敢えず、本スレッドに関しましては、私は「GPSアンテナを、自宅の屋根に設置した」後に回します。

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私が、「英語」「ネットワーク」「特許法」のレベルで、「浮気」を語れるようなったら、改めてご報告致します。
2012年 02月 27日
私のリベラル度
米国では、同性愛婚というのが公的に認められつつあるようです。

しかし、これは米国全体が、国是として同性愛を認容している、という訳ではないようです。

これは、米国赴任中に聞いた話ですが、米国人の保護者達は、

○社会的な同性愛婚を認容しつつ、

○自分の息子からホモセクシャルであることをカミングアウトされることを何より恐れている

という、矛盾した二面性をもっている、のだそうです。

しかし、人間とはそういうものでしょう。別段、矛盾しているとも思いません。

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「痛車(いたしゃ)」と呼ばれる車があります。

アニメのキャラクターを巨大に拡大したステッカーを、自動車の全面、背面、側面に張った車のことです。

なんというか「武士は喰わねど高楊枝」の真逆を走る、確かに痛々しく、しかし、潔い自己主張。

社会にどう評価されようが、好きなアニメの女性キャラクターを世間に開示して生きる姿は、清々しいとも感じます。

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と、そこまでは理解できる、・・・できるんだけどね。

仮に、娘が、「痛車」に乗った婚約者を自宅に連れてきたら、という仮説を勝手に作って、勝手に苦しんでいます。

―― 大丈夫よ。

私のパパは、いつだって

『価値観というものは個人に依存する不可侵なもので、

我々はどのような状況であれ、多様な価値観を認めれる人間でなければならない』

って、いつでも私に語っている、その「当事者」なんだから ――

と彼氏に言い含めて、そんでもって、その彼氏がそれを真に受けて、本当に「痛車」を自宅前の道路に駐車させた時、

私は一体、何を言い、どのように振舞えば良いのだろうか、と。

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良い機会です。

私も、カミングアウトしましょう。

「私のリベラル度など、所詮はこの程度です」
http://gigazine.net/news/20100322_moehaku2010_itasha_anime/
2012年 02月 26日
江端の「ハレ」
私が新人の頃の話です。

私の部屋を訪ねてきた職場の先輩が、私の学生時代のアルバムを開いていました。

そのアルバムには、私が学生の頃に、

○同じ学部の仲間(女性を含む)とスキーに行った時の写真

○ゼミの後輩(水着の女性を含む)達と海水浴に行った時に取った写真

も含まれていました。

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先輩は、それらの写真を指差して、

「江端君! この写真は一体何だ!!」

と、叱責(?)されて、

「僕は、今、江端君に裏切られた気持ちだ。大変残念だ」

と、嘆いておられました。

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まあ、先輩の言わんとしていることも、ある程度は理解はできるのですが、

『江端の人生に、一瞬たりとも「ハレ」があることは許せない』

という狭量さは、どんなもんかなぁ、と思うのです。
2012年 02月 25日
ストップ消費税10%
「ストップ消費税10%」という見出しの、日本共産党のビラを見ました。

消費税は、1988年に竹下内閣が強行採決で可決されました。

この時、日本共産党は全力を上げて、「消費税撤廃」を掲げていたと記憶しております。

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しかし、今さら、「ストップ消費税10%」などと、腑抜けたことをスローガンにしてどうする。

やるなら今だ。

今こそ「消費税完全撤廃」を叫ぶべきだ。

論理的に破綻していようが、常識に反していようが、少なくとも、

『くーーっ、泣かせるじゃねえかぁ!』

と、その心意気に感じて、一票を投じようという者は、きっといると思う。

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うん、その逆もあるな。

「ゴーアヘッド 消費税30%」

◯医療費完全無料化復活。
◯法人税の消費税率との完全連動。
・・・・

# ごめん。これ以上思いつかない。

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当面、政権奪取の予定がないなら、実現性の低くても、粋なスローガンで勝負に出るのも一興かと。

少なくとも、私は楽しい。
2012年 02月 24日
ニュートリノ「光より速い」は誤り?
ニュートリノが「光より速い」の実験結果は、装置の接続不良による誤りだった可能性があるそうです。

私は、「ニュートリノの高次元空間通過説」を期待しているので、追試による検証が待たれます。

# けど、5月の再実験は長いなぁ。

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GPSの研究をやって分かるのですが、光の速度って実際遅いんですよ。

1ナノ秒に30cmしか進まない。

はっきり言って「のろい」。

この程度の速度に拘束されて、宇宙空間の大部分に行くことができないなんて、本当に悲しいことです。

私は、ジェームズ・P・ホーガンの「創世記機械」の愛読者ですから、せめて生きている間に、亜空間移動の可能性を信じて、あの世に逝きたいのです。

それはさておき。

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仮に今回の実験が測定誤差であったとしても、GPSの時刻精度に関する関心が高まったという点は、よかったと思います。

700km離れた地点で5ナノ秒という同期精度を作り出せることに、世界は驚愕・・・していないかな。

皆、あんまり興味ないか。

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今仕事で、時刻同期のことを調べているのですが、サブマイクロ秒(100ナノ秒オーダ)の精度の信号(1パルス/秒 1PPS)を出すGPSモジュールが、1800円で購入できることを知りました。

高感度GPSで、アンテナなしで屋内で時刻同期信号を作れて、しかも1PPSのピンが剥き出しで出ているという、いたれりつくせりのモジュール。

時刻同期システムのパラダイムシフトは、意外に早くやって来るかもしれません。

(屋根を貫いて)宇宙から時刻を貰えるのであれば、QoSが常時変動するネットワークを使った時刻同期(NTP、IEEE1588等)なんぞ、不要になるからです。

なんたって、1PPSピンを具備したGPSモジュールを、機器に乗っけるだけでいいんだから。
2012年 02月 23日
鉄道会社の「パラダイムシフト」戦略
(その1)

昨日、茨城の工場に出張してきたのですが、例によって常磐線が人身事故で、終日ダイヤが乱れておりました。

『人身事故の影響で、大幅にダイヤが乱れて、皆様にご迷惑をおけしております』

と、ここまでは従前と同じなのですが、最近は、

『誠に申し訳ありませんでした』

というメッセージが付加されるようになりました。

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私は

「人身事故」という、この事象が不明確な用語の使用が好きではありません。

「線路への人身飛び込みによる運行妨害」と言いきっても良いと思っています。

しかし、その一方、

○人間は原則として「自分を殺すこと」は極めて困難であり、
○「自分で制御できない精神状態」が、自分を殺害せしめるものである

という、まさに『人身事故』である、との考えも理解できます。
(上記判断は、最高裁判所で確定し、判例として確立)

つまり、「飛び込み自殺」は、「台風」や「地震」と同等の扱いであるということです。

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では、鉄道会社は、一体、誰に対して、また、何に対して、

『誠に申し訳ありませんでした』

と言っているのか。

『誠に申し訳ありませんでした。しかし、現在、ホームドアの設置を進めるとうの対策を行っております』

のように、謝罪の後には、その対応策を述べるのが常識だと思っています。

・・・あれ、もしかして、そうではないのかな。

私の勤務している会社では、失敗に対して、その対応策をセットに説明しないと、相当怒られます。

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私個人としては、

『誠に申し訳ありませんでした』を取り下げるか、

『誠に申し訳ありませんでした。しかし、現在のところ、打つ手がございません』と正直に語ってくれた方が、まだ、気分が良いです。

対応策のない謝罪よりは、マシです。

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もっとも、鉄道会社の苦悩も理解できます。

多分、今回の一件も、『謝罪の言葉がない』とか言う、クレーマ対策の一環だとは理解できるのです。

「ホームゲートを設置するから、3年間運賃を倍額にして良いか」と言いたいハズと思うのです(私は、良いと思うのですが)。

『ったく、顧客や管轄省庁は勝手なことを言いやがって』
『金だよ、金をくれれば、完璧な「人身事故」対策なんぞやってみせるわ!!』

という感じだろうな、と。

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(その2)

出張の帰りに、千代田線(大手町から)と小田急線の相互乗り入れをしている電車に乗りました。

代々木上原に到着した時の、車内アナウンス。

「皆様のご協力により、この電車は定時に代々木上原に到着することができました。ご協力に感謝申し上げます」

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みなさん。気を付けましょう。

鉄道会社の「パラダイムシフト」戦略が始まっていますよ。

「定時到着『当然』」 から 「定時到着『努力目標』」へのパラダイムシフト。

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日本の運行管理システムの緻密さは、世界最高水準にあります。

日本以外のどの国でもよいので、1週間も滞在してみれば、その凄さが分かるハズです。

そういう意味では、日本も、そろそろ世界水準になって来た、と考えても良いかもしれません。

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西村京太郎ミステリーが、神話となる時代は、そんなに遠くない。
2012年 02月 22日
いきなり気を失う病気
私達夫婦は「障害者」です。

いわゆる社会的に認定された障害者の方からは、怒られるかもしれません(場合によっては殴られるかも)。

しかし、我々夫婦は、

「睡眠障害」

という共通の病気を持っております。

私が「早朝覚醒型の不眠症」であるというお話は何度かしましたので、今日は私の嫁さんの話を致します。

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突然眠ってしまう病気に

「ナルコレプシー」

というものがあります。

どうも、嫁さんは病症に該当するらしいのです。

話を聞くと、

○中学、高校の授業中に、なんど教師に頭を叩かれ、廊下に立たされたかしれず、

# ちなみに、私は「廊下に立たされる」などという話は、「サザエさん」の中だけにあるフィクションと思っていました。

○英検、TOEIC、果ては大学入試の最中ですら居眠りをしてしまう

とのことです。

病院で、精密検査を受けさせられたこともあるそうです。

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この病気の特徴は、

「社会的に理解されにくい」

この一言に付きましょう。

なにしろ、自分が病気だと意識がない場合もあり、自分自身を「寝穢い奴」程度にしか認識していない人もいるとか。

仕事中に眠ってしまったり、眠気でミスを重ね、解雇されるケースも少なくないそうです。

嫁さんは、窓口業務のある職種しか選べなかったそうです。

理由は「机に座っているだけの業務なら、絶対に眠ってしまうから」だそうです。

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私も長い間「寝つきの良い嫁さん」くらいに思っていたのですが、先日、

『新人研修の時に「落ちた」』

と言う話を聞いて、驚愕し、青冷めました。

「なあ、それって、即日解雇の危険もあったんじゃあ・・・」

「実際にその危険はあった。しかし、予告もなく『いきなり気を失う』ことを止める方法はなかった」

「・・・・」

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正反対の睡眠障害を持っている私たち夫婦。

私の睡眠障害も大概面倒ですが、嫁さんに比べれば、まだマシかと思えるようになりました。

自分の人生を賭けてまで居眠りする人は、そんなにはいないと思う。
2012年 02月 21日
他人とは思えないホイットニー・ヒューストン
ホイットニー・ヒューストンについては、初主演映画「ボディガード」を見た後、

『どこで何を感動すべきであったのか?』

と嫁さんに質問した後、夫婦の仲が(一方的)に険悪になった記憶があります。

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今回の、突然の訃報に関しては、彼女が

「睡眠薬とアルコールを同時に摂取した」

という説があるそうです。

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彼女の存在が、ぐっと身近になりました。
http://www.kobore.net/ietf2.txt
2012年 02月 20日
GPSでお家へ帰ろう
12年前に、米国で使い倒していたGPSレシーバが出てきました。

いきつけだったレストランまでの距離が、「ウン万キロメートル」とか出てきて、なんだか切ないです。

先日、これらの米国の登録データを全部消して、自宅の位置情報のデータ「だけ」を入力しました。

これで、このGPSレシーバは、世界中どこにいても、私の家の方向を矢印で指し示す「専用機」となりました。

これを車のボンネットに放り込んでおきました。

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我が家の自動車のカーナビは、現在故障中で動きません。

修理すれば良いのですが、修理に出すと、最低10日間バックモニタが使えなくなります。

以前、バックモニタが使えなかった時、駐車の操作に失敗して、娘の幼稚園のクーラを、バックボディで破壊し、幼児達を「集団熱射病」の危機に陥れたことがあります。

あの時の保険会社との交渉は、文字通り、私の「命を賭けた」ものでした。

『もし保険の適用に手間取り、幼児達が熱射病で入院、死亡した場合も、金銭的または道義的責任を負って頂けるという理解でよろしいでしょうか』

# これは恫喝だな。脅迫罪が適用されてもおかしくなかったかも。

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と言う訳で、現在、このGPSレシーバだけが、唯一の帰宅手段です。

『道に迷ったら、とにかく矢印の方向に進め。いつかは家に着く』

と、嫁さんにいっておきました。
http://www.kobore.net/us-location/faq.html
2012年 02月 19日
負の遺産
1945年、最悪の結果で終了する我が国のアジアの侵攻/侵略戦争を、当時の政府や軍の責任として片付けるのことはできます。

もっとも、これは「そんな簡単で単純な話ではない」 ― と言うことを、今では理解しています。

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しかし、私は学生の頃、中国を始めとするアジアの国々を回ってきて、それらの国の人々から、

『「あなたに責任がある」とは言わない』

『しかし、あなたの先祖が何をやってきたかを、もしあなたが知らないなら、今、ここで覚えて帰国して欲しいんだ』

と言われる場面に、何度か出会いました。

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正直、鬱陶しく、そして、煩わしかった。

私は、こういう、私にとって愉快でない話は、自分でも勉強して、よく知っていた方だと思います。

しかしそれでも、私ではない私の祖先の行為に対して、このような愉快でもない、不名誉な話を聞かされるのは、苦痛でした。

そして、『我が国の先祖は、なんという、下らない「負の遺産」を、子孫に残してくれやがったんだ』

という、憎悪に近い気持ちすらもありました。

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日本の財政赤字は、紛れもなく『次の世代に残す「負の遺産」』です。

要するに、私達は十分な対価を払っていないのに、私達はその対価に合わない公共サービスを享受していることだ、と(乱暴に)理解しています。

私は、この問題が、消費税程度の問題で解決する、または解決しないまでも軽減してくれるのであれば、積極的に賛成します。

そのモチベーションは、

『お前達は、なんという下らない「負の遺産」を、子孫に残しやがったんだ』

と、私の娘達に言われるのが「嫌」であるという、その一心です。

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アジアの侵攻/侵略には、それが虚構でも、御題目でも、スローガン(五族協和、王道楽土)くらいは存在したのです。

でも、我々の作り出している財政赤字には、そのスローガンすらもない。
2012年 02月 18日
センサの故障
「冷温停止の原子炉の温度が上昇を続け、一時、300度を記録」と聞いて、関係者は「センサの故障」と判断したようです。

しかし、我々は、自分の願望の方向に、センサの値を疑い、また信じる傾向があります。

福島の原発事故の際、「冷却水は炉心を完全に覆っている」という、センサの誤った情報に国民全員が欺かれ、メルトダウンという史上最悪事故の発生を見逃しました。

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だから、今回も、

『本当にセンサの故障なのか?』

『再臨界が始まっているんじゃないのか』

『「再臨界の証拠となる放射線が観測されていない」と言うが、その放射線測定装置自体が壊れているんじゃないのか』

と、私は、疑心暗鬼の嵐の中です。

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「なんだとーーー! そんなに信用できないなら、今、炉の中を開けてやる」

「再臨界しているかどうか、自分の目で見てみろ!!」

という、普通の検証方法が、原子力発電ではできない。

再臨界の有無に係わらず、炉を覗き込んだ瞬間、命に係わる被曝をすることは確定でしょう。

目と鼻の先にある原子炉の状態を、「棒でつつくこと」でしか調べることしかできない、という点が、このエネルギー製造手段の最大の弱点だと思います。
2012年 02月 17日
地震予感
「4年以内の70%の大地震」の報道が世の中を騒がしています。

それはそれとして、最近、ちょっと体感地震が多すぎるような気がしませんか。

我が家では、嫁さんが食料備蓄の見直しを、私は家具転倒の二重保護対策を開始しています。

これまでは転倒防止用の下敷きのみだったのですが、今回は全ての家具を壁に金具で固定することにしました。

壁の美観に考慮してきたのですが、地震が来た後で「美観」もなにもあったもんんじゃないと ―

― ようやく、開きなおりました。
2012年 02月 16日
バレンタイン惨事
2月13日の夜、私が帰宅すると、そこには疲弊し尽した母娘が、ソファーや床の上で俯していました。

中学の娘が、100人分の手作りチョコを作成を実施し、その支援をしていた母親が

「指を切って病院で指を縫う惨事」

が起っていました。

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バレンタインって、こういうイベントだったっけ?

もっと、甘酸っぱくて、ドキドキするイベントじゃないのでしょうか。

ここに倒れている二人は、

『工場のラインで徹夜して納期を守ったプロの菓子職人』

としか見えませんでした。

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「友チョコ」という、「同性間でのチョコレート譲渡」という新しい概念を作り上げた菓子業界は立派だと思う。

むしろこれは、簡単にそのような戦略に、嵌り捲り、踊り捲る、需要者側に問題があるとも思う。

しかし、そうであったとしても、チョコレート業界は、もう少し需要者のマインドコントロールに配慮した方が良い。

もはや、「バレンタイン」が、肉体労働の「苦役」になっている。

我が家の、チョコレート原材料の支出も、笑顔で看過できる状況ではない。

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このままでは、保護者、学校が組織化して、「バレンタイン」のイベント自体を潰しにくるかもしれないし、

――最悪のケースは、

女子自身が、このイベントの忌避を始める。
2012年 02月 15日
「欧州の金融危機」と「欧州の人達の働きぶり」の因果関係
欧州の金融危機が、本当にヤバそうな感じです。

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ところで、私達が丁度入社した頃だったでしょうか、日本人による『日本人の働き過ぎ』に関する(自己)批判が、激しい時期でもありました。

よく、「欧州の人達の働きぶりを見てみろ!」と言われたものでした。

つまり「余暇を十分に取りながら、成果を上げている仕事の仕方」ということだったと思います。

私、金融のことは素人ですので、どなたかに教えを乞いたいのですが、「欧州の金融危機」と「欧州の人達の働きぶり」の間に、因果関係はないのでしょうか?
2012年 02月 14日
氏名未記載答案
最近、嫁さんは試験監督のアルバイトをしています。

「テストを回収し終わると、必ず一枚は、氏名や受験番号を記載しないまま、提出している答案がある」とのことです。

一クラスに一人。

これは相当に高い確率だ、と思いました。

「で、その人が、午後の試験を、一生懸命解いているんだけど、見ていると、結構切ないよ」

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『あーー、あなたねえ。今日はいい天気だ。もうテストはこの辺で終えて、映画でも見にいったらどうかね』

―― とは言えんだろうしねえ。
http://www.kobore.net/tex/alone95/node19.html
2012年 02月 13日
はやぶさの映画
小惑星探査機「はやぶさ」は、5本 映画化されるそうです。

凄い話ですよね。

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昨日、「はやぶさ 遥かなる帰還」を見にいってきました。

「はやぶさ」が危機に陥いる場面での技術者達の対応が『凄い日常感』。

ネットワークエンジニアとしての私としては、

○「1bit通信」や「全空間全周波数探索」の凄さや、

○「プログラムをマシン語(×C言語等の高級言語)で記述している理由」

を、周りの席の人に解説したいという衝動に駆られました。

# 誰も聞きたくはないだろうけど。

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しかし、この映画、いわゆるハリウッド的な「感動」を求める人にはお勧めできません。

「はやぶさの正しい歴史」を、エンジニアの視点から坦々と綴った記録映画として、価値があります。

特に、「システムダウン」で青くなった経験のあるシステムエンジニアの皆さんには、強くお勧めできます。

自分達のテスト環境に感謝できます。

100メートルも離れていないテストルームに置いてある代替機で、すぐにデバッグできたり、ネットワークモニタできる。

少なくとも3600万キロメートルの彼方にあるマシン(応答時間40分)で、ぶっつけ本番のシステム再起動をする必要はないのですから。

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『この状態(供給電源が定格値を超えている)で、システムルックアップ(多分、ブートのこと)すると、システム全停(全面停止)の可能性があるぞ』

というセリフの意味を、役者さんが理解していたかどうかは不明ですが、

少くとも私は、映画館の中で青ざめていました。
http://www.hayabusa2012.jp/index.html
2012年 02月 12日
反例
< 2月 10日の日記>

『子どものうちであれば、発音が良くなるはずだ』

―― ならないって。

それ、嘘だから。

</ 2月 10日の日記>

我が家の娘の場合。

○2歳から4歳の2年間、米国某州の日本人のいない街で、ほぼ毎日、所定の時間帯、一人で託児所で過した。

○託児所の先生は、『娘は英語を全く理解していない』という私の言葉を信じない程、コミュニケーションはできていた(らしい)。

○事実、私達夫婦はもとより、回りの仲間ですら驚くような見事な発音の「NO!」を披露していた。

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そして、現在。

○娘は、ラジオ英会話のヒアリングで苦労しており、発音も普通の中学生の域を出ない。

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さあ、誰か、私に理解できるように説明してくれ。

こんな理想的かつ完璧な環境にあった娘が、なぜ、今、理想的かつ完璧な英語の発音ができないのか、を。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20120210
2012年 02月 11日
LED電球のCM
(その1)

私の沿線の私鉄は、東京メトロと相互乗り入れをしているので、時々、メトロの車両に乗ることがあります。

最近、東京メトロの車両内で、LED蛍光灯のCMをやっているのですが、これが実に楽しい。

『車両保守をしているお兄さん達が、LED蛍光灯を取り替えた瞬間、その明るさに照らされながら、思わず微笑む』

―― というCMが、もうどうしようもないほど素人演技で、笑える程にクサい。

最高です。

これを、プロの役者にやらせたら台無しだと思います。

是非、皆さんも、東京メトロにご乗車下さい。

ただ心配なのは、実はこのCMは、プロの役者が演出していて、『クサい素人演技を「演技していた」』かもしれないということです。

もしそうだとしても、それはそれで「凄いな」とも思いますが。

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(その2)

くそー、巧いなぁ。くやしいなぁ。

うちの会社も、作るならこういうCMを作らんと。

技術者なら一目瞭然でしょうが、一番最後のシーンは、LED電球の「内部構造」を示すという、芸の深さです。


http://www.youtube.com/watch?v=kcaVsA-tr7g
2012年 02月 10日
隗より始めよ
私の経験上、

(1)全ての幼児に対して、最低1セットの幼児向けの英語教材セットが購入されている

(2)その10〜20冊(または カセット、CD、DVD)の膨大な教材は、最初の2ページだけが開かれ、または最初のカセット等が、1回だけ試される。

(3)その後は、その教材が自宅のどこかに陳列されるだけである。

となっていることに自信があります。

私は別に、これらの状況を嘲笑している訳ではないのです。

子どもの将来を考えた、親の心からの想いであり、教育投資なのだとは思うのです。

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でもね。

先ず、大人でも習慣つけることができないような語学学習を、なぜ

『子どもならできるだろう』

と思えるのか。先ずは、一度その思考体系を見直すことは必要でしょう。

大人が嫌な勉強なら、子どもなら当然、幼児なら絶対に嫌いだ、となぜ思えない?

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『子どものうちであれば、発音が良くなるはずだ』

―― ならないって。

それ、嘘だから。

まずそんなデータ見たことないし、そもそも国内で、英語取得できた幼児自身がいないよ。

逆に発音を良くしたければ、いくつからだって可能です。ロジカルに実施できる分、大人の方が習得は早い。

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それと、そもそも発音なんか、問題とならない時代なのです。

我々のこれからの主戦場は、アジアです。

経済的に我が国同様、ボロボロの米国や欧州にビジネスチャンスなんぞある訳がない。

中国とその周辺国で、共通に使える言語としての英語が必要になるのです。

我々は臨機応変に、中国英語の、インド英語の、タイ英語の、ベトナム英語の発音を、オンラインで覚えるのです。

もう、"L"だの"R"だのというアホらしいことを気にせず、とにかく、どこでもなんでも「喋り倒す奴が勝ち」という時代なのです。

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と、言う訳で、

「1500語で通じる非ネイティブ英語 グロービッシュ」

が正解だと思います。
2012年 02月 09日
分かる人だけ分かる内容
RJX-610/601 TS-820/520

懐しくて、涙が出てきそうです。

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「TS-820が欲しい」という、あの頃の、あの想いは、

今となっては信じられない程、

真っ直ぐで、綺麗な、眩しくて、純粋な、

『物欲』

でした。
2012年 02月 08日
9月入学
私は、9月入学の圧倒的な賛同者です。

いや、正確に言うと、2〜3月入試の圧倒的な反対者です。

日本全国に、インフルエンザや風邪が猛威を発揮するような、こんな最低にして最悪の時期を狙って入試を行なう理由が、本当に訳分からん。

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「根性論」が大好きな人、「自己管理」という言葉が大好きな人へ。

体調完璧にしてインフルエンザ患者の方が10人程待機している待合室で、・・そうですね、1時間だけで結構ですので、普通に椅子に坐っていて下さい。当然マスクとか無しですよ。

あなた**だけ***は、病気になる筈ないですよね。

1週間に100万人のオーダで増加続ける脅威の病気であっても、「自己管理」できている、「あなた」ですもの。

そもそも学校教育を集団で行わざるを得ない以上、手段で病気が発病するのは、もう「構造的に当然」といって良いでしょう。

「根性論」「自己管理」とは学校への通学を停止すること、と考えて良いんですよね。

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それに、毎日、十分な栄養と睡眠時間を取って、ストレスのない毎日を過せば大丈夫ですよね。

もっとも、そんな悠長な人生を過せる受験生が、この世の中にいたら、一人で十分ですから、紹介して貰いたいものですが。

ストレスと病気の発生率の間には、100%の因果関係が立証されています。どこにも合格する気のない受験生なら、ストレスフリーで病気にもならないでしょう。

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受験生であること自体が、すでにインフルエンザや風邪を誘引する要件になっていることは明白だというのに、

――「自己管理」だと。馬鹿か、お前は。

そういうことを、ネットでほざいている阿呆の名前を、一覧にして晒してやろう、とまで、私は『本気』で考えています。

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人生を賭けた勝負している彼等に、ベストな状況を提供するのが、我々大人の役目だろうと思うのです。

私は、2〜3月入試を「潰す」という目的において、9月入学制度を圧倒的に支持します。
2012年 02月 07日
初音ミク
昨日、中1の娘がCDを友人から借りてきたと言うので聞かせて貰いました。

『これは・・・「初音ミク」か?』

現在、学校で随分流行っていて、娘も随分気にいっているのだそうです。

生れて始めて、自分の娘を「自分とは違う生命体」の様に見てしまいました。

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コンピュータが作り出したバージャル映像「初音ミク」による、プログラムされた人工音声による歌唱。

19歳の時にPCを触ってから人生で3日以上コンピュータと離れたことのない、この私でさえ感じるこの違和感。

コンピュータリテラシーに精通していない人は、どんなに「不気味」だろうか考えてしまいます。

# 逆に、もうそういうパラダイムすら発生しないほど、麻痺しているかもしれませんが

「初音ミク」がネット上で流通するのは、違和感がないのです。バーチャル世界でのバーチャル媒体の流通ですから。

しかし、バーチャル媒体が、実体であるCDとして通常の流通経路で提供されるということに、虚を突かれるような違和感を感じたのです。

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よく考えれれば、我々にしたって同じだったですけどね。

坂本龍一が率いたイエローマジックオーケストラ(YMO)が、(今ではあたりまえの)シンセサイザーによる音楽を、この日本にリリースした時、少なくとも我々の若い世代は、それを熱狂的に簡単に受けいれたものです。

# 今でも「ライディーン」を聞くと、ちょっと興奮します。

YMOは、空気を振動させることによって音色を発生させていた「楽器」によってのみに提供されていた音楽の世界に、コンピュータという気色の悪いものを入れてきた ―

当時、これを否定していた人々は相当数いたように思います。

しかし、今や、コンピュータを前提としない音楽など、純粋100%のクラッシック演奏くらいのものでしょう。

「初音ミク」についても、間違いなく同じ道を歩むことになるでしょう。

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「初音ミク」については、今後面白い事件が発生するだろうと考えられます。

例えば著作権法。

彼女には「著作者人格権(×著作権)」の考え方がそのまま適用できないとか。

・・・などと、色々なことを考えながら、今朝の地下鉄の中で考えてきたのですが、「初音ミク」の無体財産権としての特徴や、その存在のあり方を考えている内に、ある一つの恐しい観念に至ってしまいました。

# 自分でも背筋がゾクっ冷たくなる程に。

ちょっと、考えを整理する時間が欲しいので、これについては後日ということで。
2012年 02月 06日
ナンパ バイ ルンゲクッタ
渋谷の横断歩道で、

『ねー、彼女。今からどこへ行くの。ねえ、無視しないでよぉ』

と、横断歩道を渡っているお姉さんの「前方」を「後ろ向き」に歩きながら、しゃべりかけていた若い男性を見た時、私は相当に驚いたものです。

これが、あの有名な

『ナンパ』

と言うものなのか、と。

私には「できない」と思ったし、少くとも、あの当時は、「あんなことする位なら、舌を噛み切って死んだ方がマシだ」と思える程に不快でした。

今の時代、そんな「上品」なことは言ってられないのかもしれませんが、自分の娘がそんな男に引っかかったら嫌だなぁ、とは思えます。

それはさておき。

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先日、私、地下鉄から降りたところで、危うく「ナンパ」しそうになってしまいました。

若い女性が、微分方程式の近似解を求めるプリントを読みながら歩いていたからです。

―― ルンゲ=クッタ法(Runge-Kutta method)だ!

大学の数学、あるいはコンピュータを使った演習問題だったかもしれません。

『あの手法、分割数を間違えると、コンピュータの丸め誤差で、値が大きく狂ってくるんだよな。大丈夫かな、この娘』

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大学の頃、ラジコンカーで自律推論の研究していた時、非線形問題を解くところで研究が止ってしまいました。

中間発表の時、教授にその点で批判された私は、「非線形問題は確定的には解が求められない」と反論したところ、

『江端、お前はアホか。非線形方程式の解法アルゴリズムなんぞ、腐る程あるだろうが』

と言われ、3秒程考えた後、

「あ」

と言って、その後「その通りでした。申し訳ありませんでした」と、小さな声で教授に謝りました。

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『お嬢さん。そのお手にされている、非線形方程式の求解法について、少しお話を致しませんか?』――

と、声をかける前に、「後ろ向き」に歩く彼と、「ルンゲクッタ」の私には、一体どれほどの違いがあるだろうか、と考えてみました。

少なくとも、「後ろ向き」に歩く彼は、お姉さんの「顔」を正面から視認してるのですが、

私は、お姉さんの読んでいたプリントを後ろから覗き込んだだけ、

と言う点で、大きな差異があると考えております。
2012年 02月 05日
偽善者
<2007年 10月 07日の日記より>
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20071007

阪神大震災の3週間後に、私は被災地ボランティアにでかけて、その被災地の詳細なレポートを社内のネットに流しました。

この文章は多くの人に読まれたようなのですが、その感想は、概ね、被災の実体を知ったことの衝撃、または、私の行為の賞賛等のものでした。

その中で、一人だけ「江端さんって、本当に偽善者ですね」と、笑顔で応えてくれた女性がいました。

(後略)

</2007年 10月 07日の日記>

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今、図書館から借りてきた本を読んでいます。

『人間の本質は欲望である、人間は欲望に支配されとるっちゅう、身も蓋もない荀子の思想やね。 ―― 人間は生まれながらにして悪性を持つ、言うねん』

『ゆえに人が善行をなすならば、それは本性でなく偽りによるしかない ―― そう喝破した。偽りであり偽物であり、―― 偽物であるしかないと』

(西尾維新「偽物語(下)」)

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しまったぁーー。それが答えだったのかぁーーー。

「江端さんって、本当に偽善者ですね」

と言われた時に、

「『善はもとより全て偽善であり、だからこそ そこには善であろうとする意思がある』。荀子の性悪説ですね」

と、ドヤ顔で切り返すべきだったのだ。

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きっとその時も、その返事が期待されていたに違いない。

間違いない。

『毛沢東の論文「実践論」くらいは読んでおけ』と私に言った人だったしなぁ。

ああ、17年前に戻って自分に教えてやりたい。

(なーんだ、江端も、所詮はこの程度か・・・)と思われていたかと思うと、滅茶苦茶に悔しい。

# いや、実際「この程度」なんだけどさ
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20071007
2012年 02月 04日
警告
高熱は出ていないので、多分インフルエンザではないと思うのですが、今年の風邪は半端ではありません。

頭痛、関節痛は勿論なのですが、凄いのが「悪寒」。

コロラドのアスペンのブリザードに雄々しく立っていたこの私に、トイレに行くことすらを躊躇させるような、物凄い「寒さ」。

# 寒さで悲鳴を上げたのは、今回が人生最初かもしれない。

しかも、食事を取り、水分を摂取し、栄養を供給し、どんなに寝ていても回復しやしない。

一瞬回復したように見えて、頭痛→全身激痛→悪寒→喉の痛み→目の痛み→・・・と、いつ果てることなく続く、病症の連鎖。

普段気がつかないのですが、病気で一番問題なのは、

『自分が苦しい』

ということです。

苦しくて、寝てもいられません。

地獄ですよ、この風邪。

この冬の風邪は症状が酷くて、加えて、やたらその期間が長い。

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症状が現われた人は、もう手遅れかしれません。

私も初期症状が現われた段階で、早期に休息を取りましたが、駄目でした。現在、ウイルスか細菌かは不明ですが、

ファイナルステージ

まで、つき合わされてしまっています。

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まだ風邪に至っていない人。

ちゃんと食べて、早く寝ましょう。
夜更かしはせずに、仕事も8割程度で良いです。

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もう一度言いますが、

地獄ですよ、

今年の風邪は。
2012年 02月 03日
風邪の為、お休み
(風邪の為、お休み)
2012年 02月 02日
棄村宣言
昨日、体調が悪くて会社を休んでいましたが、夕方頃には復調したようなので、久々に家族で夕食しました。

私がいるときは、NHKニュースを見るということが、我が家のポリシーですので、子供達も諦めてニュースを見ていました。

丁度、私が、配膳をしてテレビの後ろを向いていた時、

『福島・川内村、棄村宣言』

というアナウンサーの声が聞こえてきて、驚いてテレビの方を振り向きました。

―― ついに、村を捨てなければならない状況にまで至ってしまったのか。

―― これが、「核」と共存する世界の現実か。

驚愕と恐怖で絶望で、涙目になりそうになった時、

「帰村宣言」

をしている村長の映像が見えました。

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ああ、勘違いで本当によかった、と久々に深く安堵しました。
2012年 02月 01日
名探偵コナンはいない
二人の娘は「名探偵コナン」のファンです。

「探偵ねえ・・・、あんまり人に誇れる職業ではないと思うが」

と呟いていると、

「『探偵』って職業、本当にあるの?」と娘達に驚かれてしまいました。

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「あるよ。主な仕事は、浮気調査、結婚前の素行調査、近所でのインタビュー、てなものだけどね」

「それって、どういう仕事」

「基本的には、『人の知られたくないプライバシーを暴いて、依頼主に報告する』仕事だよ」

なんで、そんなことするの?

「例えば、お前達が、変な男に騙されていないか、お前達とつきあっている「男」を調べて貰う為だよ」

それって、悪いことじゃないの。

「人の家に不法侵入とかしないかぎり合法だよ。でも当然、違法ギリギリのところで調査することなるので、警察とは滅茶苦茶に仲が悪い」

「目暮警部とコナンは、本来、目を合わせれば殴りあいするくらいの間柄、が普通だろう」

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そもそもね、

「探偵には、顧客の秘密を守る義務があるんだよ」

「誰が、その仕事を依頼してきたか、絶対に喋らないという義務が」

「たとえ、眉間にピストルの銃口を突き付けられても」

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だからパパは、

コナンも毛利探偵も、「職業意識の薄い、節操ない奴らだなー」と思っている。

依頼内容を、だれそれ構わずベラベラしゃべり捲っているなぁーー、って。