昨日、「リスクを取らない恋愛戦略」の話をしましたが、それに関連するお話をしたいと思います。
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西尾維新の「物語シリーズ」は、町田図書館のご協力もありまして(インターネット予約しているだけだけど)、出版されているものは、あと2冊で全巻読破となります。
先日、「花物語」を読了したのですが、この本は、これまでの「物語シリーズ」とは一線を画する、かなり有用な示唆に溢れる実用書であると感じました。
ティーンエイジャには勿論ですが、全分野の全世代に対して、役に立つ至言に溢れています。
例えば、
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(その1)
「逃げの何が悪い?この世にあるほとんどの問題は、逃げることで解決するじゃないか。逃げて先送りにしているうちに、問題は問題じゃなくなってしまう――
『今このとき』に解決しようと思うから、人は苦労するんだよ」(沼地蝋花)
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これは、私もよく使う手法の一つです。
私の場合、
「来週のこの時間に、今のこの暗い気持ちを100%損うことなく持ち続けていることができたら、来週のこの時間に、アクション(会社を辞める等)を起こそう」
という、フレーズをよく使います。
問題の大きさによって、「1週間」とか「1ヶ月」とか、色々選ぶことにはなるのですが、現在のところ『アクション』は発動していません。
1週間もあると、別の案件がその問題を「押し出してしまう」からです。全部「押し出さない」にしても、100%を維持するのは難しいです。
1週間で80%残っている問題であれば、2ヶ月後に残っている確率は16%。半年後なら、0.4%程度にまで小さくなってしまいます。
「どんな問題も時が解決する」というのは嘘があるかもしれませんが、「時が忘却させる」という話であれば、簡単な等比級数で「裏」が取れます。
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(その2)
「大抵のことは逃げれば解決するのに、逃げたら負けだと思ってる奴が――本当に多い。」(沼地蝋花)
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これは、私も「停滞主義論」で、このホームページを立ち上げてきた時から、論じてきたことです。
停滞主義とは、「(1)停滞はラク(楽)である→(2)ラク(楽)であることは一般的に楽しい→(3)ここからラク(楽)から楽への回帰的な利益が得られる」というものです。
『もんじゅ』(高速増殖炉型)と名づけても良いかと思っています。
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(その3)
「――なあ、沼地。お前、『やらずに後悔するよりやって後悔する方がいい』という言葉について、どう思う?」
「負け犬の遠吠えだ」
「やらずに後悔した方がいいに決まっている」
「そうだな。私もそう思う。やって後悔する方がいいなんてことをいうのは、『やってしまった後悔』の味を知らない、無責任な第三者の台詞だ」
「だけど――― 一番いいのは、やって後悔しないことだ」
(神原駿河&沼地蝋花)
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これが「リスクを取らない恋愛戦略」に相当するのかな、と。
ちょっと違うか。いや、全然違うな。
こう言えば良いのかな。
『だけど――― 一番いいのは、後悔しないように仕組んだ後でやることだ』
うん。これ以上もないくらい卑怯だ。あまりの卑怯さで、清々しいくらい。
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と言う訳で、(ここから頂いたメールに対する私信になりますが)「失恋」の痛手は、解決する場合もあれば、解決しない場合もあります。
しかし、解決する場合は「等比級数」があなたを助けてくれるかもしれません。
食欲のご回復を、影ながらお祈りしております。
http://www.amazon.co.jp/花物語(講談社BOX)[単行本(ソフトカバー)]/dp/4062837714