『原子力発電所の真上でヘリコプターをホバリングさせて、放水作業を行なう』とは、こういうことです。
―――― 原子炉から全方向に装着された1000機の機関銃が、毎秒1000発の実弾を全弾発射している場所で、何の盾もなく銃弾に撃たれながら、任務を遂行し続ける ―――
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私は、子供達に語り伝えたいと思います。
『怪獣が私達の家を破壊し、故郷の土地を蹂躙していても、ウルトラマンはやって来なかった』
『いつだって怪獣と闘ってくれたのは、命を賭けて私達を守ろうとしてくれた人達だ』
と。
余震が続いている為でしょうが、最近地震でオフィスが揺れていても、あまり動じなくなりました。
「ええい! ディスプレイが揺れて見にくい!!」
こういう「慣れ」は良いことだと思いませんけど。
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先日、電車に乗っていたのですが、何ごとも無いかのように静に停止して、数秒停止した後、静かに運行を開始しました。
乗客すら「あれ?」と後で気がつく程に、あまりにも自然な停止でした。
『只今、地震を感知したので停止しましたが、小規模であったので、そのまま運行を再開しました』とだけ、簡単にアナウンスがありました。
こういう「慣れ」は、絶対に良いことだと思いませんけど。
先日(3月23日)、福島原発の事故の影響で、東京都の浄水場の水道水から、乳児の摂取制限の規制値を超える放射性ヨウ素が検出されました。
このニュースの第一報は嫁さんの実家からの電話で知りました。
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警告があったのは1歳未満の乳幼児であり、それ以外の子供や大人は、警告対象外だったのですが、嫁さんが、その1時間後にスーパーマーケットに行ったところ、すでに、ミネラルウォータは完売。
お茶のペットボトルがかろうじて手に入る程度だったそうです。
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基本的に利己主義で凝り固まった私ですら、『これは、よろしくないぞ』と思った次第です。
ミルクを作る為に、水だけは、乳幼児に残しておかなければ。
乳幼児以外は、原則として害はない(という発表のよう)のだし、我々の水分摂取は、お茶でもジュースでも何とでもなる。
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しかし、これからのことを考えると、1キロあたり300ベクレル以上の水質汚染が行われることは、十分にありえます。
しかし、放射性ヨウ素は半減期8日と短いので、連続して300ベクレル以上が毎日連続して続く可能性は低いと思います。
とすれば、暫くの間は、少し前に購入した水分で過せば良いということです。
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問題は、食事です。
もっとも原材料をそのまま齧っていれば、生命を維持するのに何の問題もないのですが、ガスや電気に問題がないなら、できるだけ日常の生活を維持したいと思うのは人情です。
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水分はある。
しかしそれは「水」ではなく、「お茶」であったり「オレンジジュース」であったり、あるいは「コーラ」であったりする。
では、「水」以外のもので、食事を作ったらどうなるか?
これは興味深い研究テーマです。
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本日は、第一回の実験結果を報告します。
実験テーマ:
「お茶」で「うどん」を作る
実験プロセス:
麺つゆを、水ではなくお茶(今回は、パック麦茶)で作るだけ。なお、出汁には「追いがつおつゆ」を使ってみた。
実験結果:
味は悪くなかった。麺つゆにお茶の渋みが加わって、なかなか深い味わいとなった。念の為、普通の水を使ったうどんとも食べ比べてみたので、決して誇張したり捏造した結果報告ではない。
考察:
今回は麦茶を使用したが、緑茶であれば、更に良い味になったと思われる。
今後は、
○お茶を使ったインスタントラーメン、
○コカコーラを使ったカレーライス、
○オレンジジュースを使ったビーフシチュウ、
も追加して検証をしてみたいと思う。
が、私個人では限界があるので、本研究の共同研究者同志諸君を募りたい。そして、結果をどんどん私に報告して欲しい。
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結論:
日本の大人達。腹を括れ。
我々は汚染された土地と水の中で生きていくのだ。
それには、なにより、先ず子供達を守ることが必要だ。
「お茶」で「うどん」は作れる。
しかも、旨い。
官房長官が、一番最初に「ミリシーベルト」の単位を発した時の恐怖は今でも覚えていますし、「1時間当り300ミリシーベルト」が出てきた時には、本当に倒れそうになりました。
3000ミリシーベルトで人は死ぬ。
私が、原発正面玄関前(原子炉建屋ではない)に10時間立っているだけで死ぬ。
真っ青になったことを覚えています。
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それなのに、今や「1000ミリシーベルト」単位が日常的に語られている。
これは、もの凄く恐しいことだと思います。
私のイメージでは、今回の事故が人類史上の最悪の地震で発生したものでなかったとすれば、
○東京電力の社長以下、重役クラスは10回辞任し、
○内閣は20回倒れて、政権政党もなくなってしまっている、
というくらいの大惨事です。
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もうこれ以上の悪くなり事態は考えられないだろう、と思っているところに、
○建屋が水素で爆発し、
○放射能物質の放出を前提とした格納器の蒸気を大気に排出し、
○単なる保管しておいただけの使用済み核燃料が3000度近い熱で溶け出し、
○放射線の暴風圏内に突入するという命と引き換えの放水作業が行われ、
○"1000万倍"という高濃度の汚染水で作業員が被爆する
そして、
○修理したくても強烈な放射線で原子炉建屋に近づけず、その間にも燃料棒が溶解して、さらに放射線量が増えていく。
腹立たしく思っても、暴走中の原子炉をミサイルで破壊でもしようものなら、それこそ日本全土が高濃度放射能物質で汚染されるし、原子炉を運搬しようにも、その間の被爆で間違いなく死者が出る。
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私は、これまで、数多くの「原発クライシス」に関する書籍、映画、ドキュメントを見てきましたが、どれもこれも、
『我が国で、現在進行形で起きている事態以上のシナリオはどこにもなかった』
と断言できます。
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今回の福島原発事故は、想定外の津波に因るものとされています。
でも、少し考えてみたいと思います。
その「想定外」が事実であったとしても、津波は原子炉への直接の
被害は与えていないのです。
津波は、バックアップ用のディーゼル発電機とその周辺機器を無力化しただけです。
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では、私が10人くらいのテロリストを募って、3年くらいの破壊工作の訓練を受けて、福島原発に侵入してみたらどうでしょうか。
ダイナマイトで、送電塔を全部倒壊させて、ディーゼル発電機を破壊し、その後、武器で発電所を制圧して、建屋の人間を全部人質として立て籠ったら?
燃料棒溶解なんぞ待たないで、拳銃で職員を脅して、中央制御室から、燃料棒を引き上げさせてそのまま放置しておいたら?
警察の姿が視認できる度に、人質を纏めて数人くらい殺害して、原子力発電所に誰も入れないようにしたら?
勿論、テロリストである私とその同士達は、端から自分の命が助かろうという気持ちは欠片もありません。
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放射性核燃料が手がつけられなくなる前に、民間人の犠牲者を前提に、特殊部隊は、私達テロリスト全員をきちんと殲滅してくれるでしょうか。
なんか、別の福島原発事故を「創り出す」ことは、そんなに難しくないように思えます。
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残念ながら、この発想、私のオリジナルではなく、「神の火」(高村薫著)の最後のシーンから盗用しています。
この著書の中では、主人公とその友人のたった二人が、冬の夜の原発に襲撃をかけ、原子炉格納容器の蓋を開くというテロに成功します。
しかも、その緻密な計画は、読者からしても全く無理がなく、十分に現実可能な範囲にあると思えました。
このテロを防ぐには、武装した一個分隊を、日本の稼働中の原発の全てに配置しないと駄目だろう、と思えます。
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もっと話を簡単にしてみましょうか。
我が国と仲が良いとは言えない隣国が、「瀬戸際外交」を踏み越えて、日本の原子炉全部をミサイル攻撃、または空爆してきたら、どうなるのでしょうか。
血の気の引くような思いをする時間もなく、一瞬で国土と水は放射能で汚染され、(国家の存亡はどうでも良いですが)、国民の大半は生命と引き換えの被曝に晒されるのでしょうね。
知らない人も多いかと思いますが、1981年に、現実にイスラエルがイラクの原子力発電所を空爆しています(バビロン作戦)。
戦争となれば、なんでもありです。
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という訳で、私は尋ねたいのです。
今回の福島原発事故は、本当に「想定外」なのですか?
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)というシステムがあるそうです(今まで知らなかった)。
緊急事態が発生した際に、六時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量などをシミュレーションすることができるものだそうです。
ところが、事故発生後から、この情報の開示を色々な団体が政府に請求してきたが、全く開示されないと言う問題があり、国民からは不満・・・というよりは、不信の声が上っていました。
そこで、この非開示とされてきた理由を「邪推」してみました。
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ところで、実は私、パソコンに触れた時から今日まで、色々なシミュレーションをやってきました。
具体的には、
○アルバイト先の塾の生徒の成績予想、
○半導体の電圧・電流等の挙動、
○歩行ロボットの歩行パターン
○ファジィ推論によるパン焼き炉の温度や電子レンジのサンマとサバの判別方法
○大阪梅田駅を想定した大量歩行者の歩行挙動
○エイズの免疫機構をヒントにした最適解探索
など。
結構楽しかったです。
条件設定パラメータを弄ると、結果が様々に変化して、夜が明けるまでコンピュータの画面に喰い入っていました。
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ところが、逆に、シミュレーション結果を妥当な値にする為の、「初期値パラメータ」を探すことは、とても難しいです。
特に気象・流体系のシミュレーションの場合は、計算結果から初期値を求めることはできません(これを「不可逆」といいます)。
初期値に対してセンシティブ(敏感)なシミュレーションの場合、初期値の与え方によって、計算結果が、それはもう、「信じられないくらい滅茶苦茶な結果となる」からです。
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SPEEDIは、政府の持ち物なので、基本的には行政府の行動を、論理的・科学的にに裏づけしなければならないと思うのです。
今回のSPEEDIのミッションは、「政府の避難指示の妥当性」を出さなければならなかったと『邪推』してみます。
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SPEEDIに入力される情報には、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報があり、これは「点」の情報として入力されます。
また、さらに高さ方向の情報も入力しなければなりませんが、当然、地上1000メートルとかに固定されているセンサなんぞある訳がありません。
そうなるとですね、非常に少ない計測地点だけを使って、計算をしなければなりません。平面(二次元)の状態を把握するのでも相当難しいのですが、当然汚染は大気にも広がっています。
すると、3次元の空間をシミュレートする必要があるのですが、もうこれは、相当に難しいと推認されるのです。
イメージを言えば、
◯北海道の稚内で測定した海水温度と、
◯沖縄で測定した気温から、
◯福島の河川の温度を計る、
というような、難しさ(ちょっと大袈裟か)。
そもそも、問題となっている事故が進行中の原発から放射された「放射性物質の総量」が全然分からんのですから、「今日の天気が、晴れか曇りか雨かは教えないけど、本日の最高予想気温を出せ」と言うような感じでしょうか(これも大袈裟かな)。
で、決定的なデータ不足の中でシミュレータを稼働させているのではないかな、と。
多分、空間をメッシュ状の単位で区切って、その単位内で各種の計算(流体計算とか)線形・非線形補完をする計算方式を採用しているのだろうと思います。
この計算式は結構膨大なものですから、どうしてもスーパーコンピュータ(スパコン)クラスのパワーが必要になってきますが、求める精度によっては、相当の時間(数時間~数十時間)が必要になるのではないかと思っています。
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で、恐らく、その計算を行った科学者は、その計算結果を見て、「愕然」としたのではないかと「邪推」するのです。
――― なんだ、これ?
例えば、
◯中国やロシアまで、放射性物質が拡散しているという計算結果が出てしまった。
間違いなく前代未聞の国際問題に発展するでしょう。
政府は、国際的な非難を浴びることを回避する為、公開できません。
◯地元でなく、東京や北海道の方が汚染濃度が高い計算結果が出てしまった。
政府が定めた避難範囲(半径20-30km)の意義をぶち壊してしまう為、公開できません。
◯汚染が全く見られないという計算結果が出てしまった。
「そのSPEEDIというシミュレータは、オモチャか!」という非難を受け、「そんなシステムに税金使うな」の大合唱で予算が無くなるのを回避する為、公開できません。
再計算する度に、訳の分からん計算結果が出てくる。
国民からは計算結果を出せと言われているが、こんな結果を出したら、間違いなくSPEEDIの来年度予算はなくなるし、諸外国の政府・研究機関からは笑いものになる。
困った。どうしよう。
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少し「邪推」の程度が酷すぎますかね。
私も本当にこんなことがあったとは、信じていません(というか、信じていいよね)。
でもね、仮に、
そういう無茶苦茶な計算結果があったとしても、
それが日本の技術者の名誉を損うことになったとしても、
それでも公開するのが、政府系研究機関の義務でしょう。
SPEEDIに血税を払っているのは、我々国民なのですから。