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2012-11-03 「安全」という洗脳 [長年日記]

昨日の日記にも書きましたが、私の勤務している会社は、「安全」に関する取り組みに対して、

―― 病的な程に熱心です。

というのは、本当は正しくなくて、他の会社のことを知らないので、比較のしようはないのですが。

交通事故が起きれば、被害者・加害者の区別なく、社内でレポートが周知されます。

これを、私の先輩は、「社内晒し者(さらしもの)制度」と命名しました。

ヒヤリハットなどの取り組みは、2~3ヶ月に一回は行われております。

また、社内において、

■キャスターのついた椅子の上に立って作業する

■重い荷物を一人で運ぶ

■沢山の荷物を固定することなく台車で運ぶ

■オフィス内や階段を走り回る

などを実施することは、相当の「勇気」が必要です。

これらの部下の行為を看過した管理職(上司)には、何かの制裁が加えられることは間違いないです。

しかし、これらの管理者(上司)の行為を看過した従業員(部下)でさえ、「お咎めがない」とは考えられません。

「安全が全てに優先する」ということは、重要なことですが、ここまで病的に行う必要があるのだろうか、と思わないことは一度もありませんでした。

多分、これらの「安全教育」を受けされられている我々は勿論ですが、この教育を施行している管理部門ですら、「行き過ぎなのではないか」と思っているのではないかと、邪推しています。

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一昨年の夏、地元の夏祭の盆踊りの舞台を設営する為に、自治会の集りに参加してきました。

20人弱のおじさん達が集って、金属パイプを組み立てて舞台を作るのですが、その間、私は心で穏かではありませんでした。

『ヘルメットも付けづに作業するだと?』

『そんな重い鉄管を、一人で持ってどうする!』

『安全ロープを使わずに、あんな高所で作業をするとは!』

『鋭利な金属片が、外側に剥き出しの状態で設置されたままではないか!』

『電源を全部落して、アースを確保してから、配線作業をしろよ!』

もう、なんというか、

―― ストレスの嵐

町内会で、こんなことに文句を付けていたら、作業が進みませんので、私は、不愉快な顔をしながら、作業を続けていました。

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作業が終って、自宅で、昨夜の残り湯で風呂に漬かりながら、ビールをかっ喰らっていたとき、ハっと気がつきました。

―― そうか、『洗脳』

私は、その理由も理屈も、正当性も経済性も飛び越えて、「安全」という価値観を、有無を言わさせれうことなく、植えつけられていたことに気がつきました。

一般的に洗脳は、子供の教育プロセスにおいて実施されます。様々な知識を持たない時代に行う方が簡単だからです。

しかし、大人であっても、それを周到に、しつこく、何度でも、抗議をはねつけながら、に実施すれば可能であるということです。

この私が洗脳されていたということか。

面白くないぞ、と思いつつも、

―― でも、まあ、こういう「洗脳」なら、悪くないよな

と、つぶやきながら、風呂から上がりました。

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正直、会社に感謝していたりもします。

「安全」の洗脳は、現実に「私の安全」を担保してくれていると思います。

この洗脳の効果は、家庭の中でも生かされていると思います。特に台所や配線回りで。

家族には「しつこい」と鬱陶しがられているようですが。

しかしですね、「人を殺すことを是とする」阿呆な宗教の「洗脳」に比べれば、比較できないくらい、有用で意義があることは、明らかですからね。


2012-11-26 中二病 [長年日記]

中二病というものがあるそうです。

定義は皆さんにで調べてみて下さい。

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それはさておき、私小学校4年生のころに、きったない字でSF小説(のような物)を書いていたんですが、そのパクリ元が、小松左京先生の「日本沈没」だったのですよね。

今思い出して、「あれ、これって結構凄くないか?」って、今、自分で思っています。

あんなヘビーなSFを、小学生4年生の頃に読んでいたんですよ(意味が判って読んでいたかどうか不明ですが)。

内容もうっすらと覚えているのですが、地震で最後、伊豆半島を沈没されてしまうという、「まんま、パクリ」。

まあ、小学生のやることですから。

これを、敢えていうなら「小4病」というのでしょうか。

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で、今の私は、小松左京先生の「さよならジュピター」の主人公、本田英二が理想なんです。

あの小説、エンジニアが主人公でヒーローなんです。

『「さよならジュピター」も読まずに研究所に来た奴。帰りやがれ』と結構本気で思っていたりします。

あの小説に登場するエンジニア、「自分の考えたものを動かすこと」という明快な原理で動き、それ自体がご褒美という、非常に「子供みたい」な連中なのですよ。

その結果として名声や名誉なんぞは、「あ、そんなもんも、あったね」と、相当後で気がつくみたいな、そういう自然体の技術者の姿に、痺れる、憧れる。

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それはさておき、いい年こいて、小説の主人公にアイデンティファイドする、私のような奴のことを、何という病気に侵されていると言うべきでしょうか。

■「中年病」―― これでは、成人病と同義だな。

■「アダルトチルドレン」―― 定義が違う上に「チルドレン」が気色悪い。

■「宇宙兄弟」 ―― ファンに半殺しにされる

では、「中年」が「二度目」の理想に立ち返る、ということで、こちらも、

「中二病」

と称呼してはどうでしょうか。

皆さんのご意見をお待ちします。