私は、ネット上では実名を公開して活動しているのですが、圧倒的に多くの人は、匿名で活動されています。
実名、匿名ともに、メリット・デメリットがありますので、よく考えた上で、自由に選択すれば良いと思います。
それはさておき。
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実名公開を原則とする私と、匿名公開を通常としている方との関係は、どうしてもUnsymmetric(アンシンメトリック:非対象性)な関係になります。
私は、私の考えや日常を毎日のように公開している訳ですが、その逆は成立しません。
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気のせいかもしれませんが、最近、
■見も知らない人から、軽く会釈をされたり、
■ドアを明けられたり、道を明けられたり。
■エレベータのドアの「開」を押されて、先に出るように誘導されたり、
ということが、多くなったような気がするのです。
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会社の若い研究員諸君が、形式的であれ、歳をとった研究員に対して、一定の敬意を示して振る舞ってくれることは、十分承知してはいます。
例外もいますが、彼等は、基本的には、気が良く、親切で、そして恐しく頭の良い若者ばかりです。
比して、私は、愛想が悪く、慢性的な睡眠不足でいつも顔色も悪く、身嗜みも最低レベル。そして、浅学、卑怯、狭量という、3大悪癖を持つ、古参の万年主任研究員です。
こうして、比較してみると、ネットの世界でも、リアルな世界でも、私と私以外の人間の関係は、アンシンメトリックが際だっていることが分かります。
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あっちから、こっちは見えているのに、
こっちから、あっちは見えない。
こういう状況は、濃い霧の中を歩いているような、違和感というか、おぼつかなさを感じます。
なんというか、敵を特定できない不安というか、どこから狙撃されるか分からないような恐怖といいますか、そんな感じが拭えないのです。
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「なんで、そんな悪い風に考えるんだ」と言われることくらいは、私も分かってはいるのですよ。
そんな風に考えないで、自分のことを、
■暗くて広い観客席を目の前にして、コンサート会場で歌っている国民的アイドル
■街中で擦れ違いさま、振り返られる著名俳優
■政界の最大派閥に睨みがきき、官僚にも顔が通る大物政治家
という風に、(都合よく)自分を認識すればすれば良いことは分っているのですが、
基本的に、「物事は、ほっとけば悪い方向に進む」と信じてきて、実際に「悪い方向に進んできた」と確信している私には、自分のことを、アイドルや俳優や政治家のように見ることは、到底できないのです。
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という訳で、私に親切にしてくれる人は、
「私に優しくしないことが、私にとって最大の優しさである(場合もある)」
ということに、時々想いを馳せて頂ければと思います。