購入した、あるいは譲って貰ったパソコンに、ウイルスセキュリティツールを入れる為には、インターネットに繋がなければなりません。
でも、このインターネットに繋がった瞬間に、ウイルスに感染する可能性はゼロではありません。
セキュリティツールのインストールが完了するに、感染した場合、そのセキュリティツールそのものが、逆に、自分のパソコンや他人のパソコンを攻撃するツールになる、ということは、十分にありえます。
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「心配しすぎだ」という人は多いかもしれません。
しかし、私なら、こういう研究テーマを貰ったら、嬉々として、そういう攻撃ツールを作りたいと、心底から思う。
―― 多分、2日や3日の徹夜なんぞ全然平気で、コーディングしてしまうだろうな ―― と思える。(まあ、それに見あった技量があるかどうかは、別論ですが)。
そういう人間を「自分の中」に見い出せるからこそ、そういう想定ができるのです。
この話を、もう少し大きく捉えてみれば、「戦争」を具体的にイメージできる人間がいるからこそ、先手を打とうとして、「開戦してしまう」という、開戦のジレンマがあるのだと思います。
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「はだしのゲン」の、原爆投下シーンの地獄は、個体差はあるとはいえ、子どもに、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を与える可能性があります。
今回の閲覧制限問題は、政治的はものではなく、本当に医学的観点からの要請であったと、私は信じることができます。
事実、私は、今でも(40年経過していますが)、あのシーンを原爆投下の地獄のシーンを鮮烈に思い出すことができるくらいです。
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これは、大変難しい問題だと思います。
我が家でも、娘たちに、映画「シンドラーのリスト」を見せる時期を、見計らっています(主に、嫁さんが心配している)。
また、あの名著「バナナフィッシュ」を、どういうタイミングで、我が家の共有図書館に陳列するか、を、悩んでいます(主に、嫁さんが心配している)。
(ちなみに「我が家の共有図書館」とは、二階のトイレのことです。私が、日曜大工で、トイレの空間を、書架に改造してしまいました。嫁さんが、予算を認可してくれたので、それなりに美しい書架になったと自負しております)
その一方で、私は、こういう問題を「放任」しても良いのではないかと思うのです。
例えば、"How to SEX"については、男の子であれば下品なエロ本が、女の子であればふつーの(本当に普通の)マンガコミックが教えてくれます(最近の小学生向きのコミック、凄いですねえ)。
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私は、「はだしのゲン」も、『無造作に書架に放置する』という取り扱いが、最終的には一番良いのではないか、と、思うのです。
保護者が、そのような「きっかけ」をコントロールするのは止めませんか。自分の子供が、PTSDになるかどうかは「運」に任せてみませんか。
これは、リスクに見合うメリットがある、と思うのです。
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私は、「はだしのゲン」を、当時の連載で読んで、本当に怖くて寝れない日がありました。
それでも、原爆や戦争を、それを実体験することなく、「憎悪と憤怒と理不尽に拳を握りしめる」人間として完成したことを、
―― 本当によかった
と、心の底から思えるのです。